2020/10/21
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オーナー取材レポート ~Hamee株式会社~
設定来、様々な局面でも良好な運用実績を実現してきた「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」。
当ページでは、強力なリーダーシップを発揮して急激な事業環境の変化に立ち向かっている、注目のオーナー経営者を取材した内容を紹介します。
代表取締役社長 樋口敦士 氏
Hamee株式会社
スマートフォンやタブレット向けアクセサリーのデザインおよび販売とクラウド型インターネット販売事業支援システムを展開。
【銘柄コード:3134】
〈組入比率〉3.53%
〈上場市場〉東証第一部
〈業種〉小売業
〈時価総額〉400億円
- ※組入比率はファンドの純資産総額に占める割合、業種は東証33業種区分に基づく。数値は9月末時点。
樋口 敦士 氏
1977年、神奈川県小田原市生まれ。小田原市で育ち、1998年、大学4年でHamee株式会社の前身であるマクロウィル有限会社を設立。
1999年、自社サイト「携帯アクセ市場」でのモバイル周辺アクセサリーのECを開始。2001年、株式会社ストラップヤ.comへ商号変更および組織変更。2013年5月にHamee株式会社へ社名変更。
尊敬する経営者は、孫正義氏。

Hameeとは
同社は1997年に、神奈川県小田原市にて樋口社長が創業。もとは、携帯ストラップを中心とした企画・インターネット販売を行う小さな会社であった。その後、スマートフォンの普及とともに同社の事業も拡大。
現在では、「iFace」を主力商品とする、創業当時からの事業であるモバイルアクセサリーの企画・販売を行う
コマース事業と、コマース事業を運営するノウハウから生まれたECバックオフィス自動化システム「ネクストエンジン」を中心とした
プラットフォーム事業を日本のみならず、グローバルに展開している。
「クリエイティブ魂に火をつける」をミッションに掲げ、クリエイティブな世界の実現を目指し進化し続ける、同社の創業者であり現社長の樋口氏にお話を伺った。
創業の経緯
「自分にとって、起業は自然なことだった」

大学4年時に、Hameeの前身であるマクロウィル有限会社を設立。小田原の実家がお菓子屋さんを営んでいたことで、幼少期からモノ作りや販売・通販といった商売が身近な存在だった。
樋口社長の大学時代はちょうどWindows95が世に出始めた時期。自身でPCを触り、インターネットの可能性を実感。インターネットを通じた商売を考え、大学3年で起業家としての道をスタートさせる。
最初はネットスーパーを志すが、挫折。より現実的なものを探し、「天然石アクセサリー」と出会う。東洋的な雰囲気に魅了され、これを世界中に販売したら面白いと、「オーダーメイドの天然石アクセサリー」を作り、ネット販売。やがて、携帯ストラップを企画、それを海外の工場で安く製造し、仕入れて販売するモデルを構築する。
その後、世の中は携帯電話からスマートフォンの時代に。それに合わせて同社でも携帯ケースなどの「モバイル周辺アクセサリー」のネット販売会社へと変遷。そして、スマートフォンケースの「iFace」が一躍有名となり、いまに至る。
「ネクストエンジン」誕生のきっかけ
ネット販売のバックオフィス業務(事務・管理業務)の自動化システムとして、国内ナンバー1シェアを誇る「ネクストエンジン」。国内で初めて受注管理だけでなく、在庫管理もクラウド化に成功したこのシステムが誕生したきっかけとは。
「ネット販売をベースにやりながら、途中で卸販売も始めたことで、バックオフィス業務がぐちゃぐちゃになってしまった。ネットで販売しながら裏の処理はアナログだった。誤った商品を発送することも増え、みんなが夜中までクレーム対応をして出荷するという混沌とした状況。バックオフィス業務自動化のために様々なシステムを導入したり、外注して作ったりしてみたものの、なかなかうまくいかなかった。それなら自分たちでシステムを作ってしまおうと。」
こうして同社のスマホ・携帯アクセサリーの業務効率化のために作ったシステムが「ネクストエンジン」であった。現在、現役のネット販売業者が作ったシステムとして、業界ナンバー1の導入実績*を誇っている。
事業の厳しい局面において心がけていること
増員や上場など事業規模が拡大するにつれて、苦労されたことを樋口社長に伺うと、
「苦労と失敗の連続だったが、管理やシステム開発、商品デザインといった自分ができない分野においてそれぞれに長けた人材がなんとかしてくれた、今もなんとかしてくれている。私がというより、社員が苦労しながらやってくれている。」
と、あくまでも社員のおかげだと話した樋口社長。では、事業が厳しい局面でも、経営者として曲げたくない信念とは一体何なのだろうか。

「いつも進化・成長させていくこと。常にキープして同じことをしているのは、それ自体がリスクだと考えている。常に磨き上げる、進化させていく。それをやっていれば、小さいイノベーションの種も見つかると思う。天然石アクセサリーのEC販売を磨き上げた結果、ストラップ、iFace、それをもっと磨くためにネクストエンジンが生まれている過去もある。向き合っている業務に「入魂」していく、「クリエイティブ魂を入れ込んでいく」ことで事業は進化していくと思っている。」
この想いを社員にも浸透させるため、Hameeでは、同社のミッションとバリューを図のように定め、コロナ前は朝礼時に、社員と唱和していたそうだ。

長期的な目線でのビジョン
最後に、今後のビジョンとHameeをどのような会社にしていきたいかを伺った。
「起業家魂に火をつけていける会社になっていきたい。社員が、Hameeの中で起業して、半独立してスピンオフするとかができたらなと。今の事業をどうやって伸ばすかを考えると、起業家的な発想をみんなが持って進化・成長・磨き上げていかないとビジネスとしては成長できないんじゃないと考えている。
起業家魂に燃えた人がたくさんいて、既存事業を進化・成長させて、そこから別の新しい事業を打ち出してスピンオフしていくみたいなイメージ。会社として起業家がたくさん生まれていくような仕組み、カルチャーを作れれば、会社そのものが一つのプロダクト・サービスみたいになるのかな、そんな風に考えている。」
進化と成長
樋口社長のお話の中で、最も頻繁にでてきた言葉がこの2つであった。
現状維持を良しとせず、常に挑戦しようとする姿勢から、厳しい事業環境でも状況変化に迅速に対処する強靭さと一貫した成長の追求を確認することができた。
- ※上記に記載の銘柄は、2020年9月末時点の保有銘柄から一例として記載したものであり、当ファンドへの今後の組み入れを示唆・保証するものではありません。また、これらの銘柄の売買を推奨するものではありません。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果や動向などを示唆・保証するものではありません。
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