2020/06/02
東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)/(為替ヘッジあり)は、ロケット等の輸送機や衛星の製造、打ち上げサービス、衛星や地上設備の運営、衛星データを活用した通信・情報サービス、関連ソフトウエア、その他周辺ビジネス等の提供を行う宇宙関連企業へ投資を行うファンドです。
衛星、ロケット等の宇宙機器製造や衛星を利用したサービス等の宇宙関連産業は、打ち上げや製造等の関連技術の向上に加えて、情報通信インフラの高度化や自動車、産業機器の自動化等のイノベーション(技術革新)の需要が重なり、中⻑期的な成⻑が期待されます。
本レポート「2030年宇宙の旅」では、成長が期待される宇宙関連ビジネスについて、その魅力と今後の展望などをご紹介していきます。
今回は、「スペースXの有人宇宙船打ち上げ成功」についてです。
民間企業主導による有人宇宙飛行として史上初の快挙
NASA(米航空宇宙局)と米宇宙開発企業スペースXは、2020年5月30日、スペースXが開発した宇宙船「クルードラゴン」に初めて人を乗せて打ち上げました。「クルードラゴン」は31日にISS(国際宇宙ステーション)に到着し、接続に成功しました。米国の有人宇宙船がISSに到着したのは、2011年7月のスペースシャトル退役以来9年ぶりとなります。
今回は「クルードラゴン」の最終試験で、初めて人を乗せて宇宙ステーションに接続し、その後、地球に帰還することになっています。試験が成功すると、「クルードラゴン」は正式運用が始まり、1号機には日本人宇宙飛行士の野口聡一さんも搭乗する予定です。1号機は今年8月30日の打ち上げを目標に準備が進められています。
今回の打ち上げ成功はスペースX、NASAにとって大きな第一歩であり、民間企業主導による有人宇宙飛行として史上初の快挙であることから、有人宇宙飛行の再加速が始まる可能性が高いと言えるでしょう。また、有人宇宙飛行にとどまらず、幅広い宇宙ビジネスが民間企業により更なる発展を遂げていく、大きなきっかけになると考えられます。
更に、今回の成功によって、民間企業へ有人宇宙飛行をアウトソーシング(外部委託)することによるコスト削減が再評価され、NASAは今後、深宇宙(宇宙空間のうち地球から遠く隔たったところ)探査にリソース(資源)を集中することができると考えています。
サプライヤーや競合宇宙船開発の側面からプラスの影響
スペースXは垂直統合型の企業(商品の開発・生産・販売を自社で一手に行う企業)であり、今回の打ち上げの成功で最も直接的に利益を得る立場にありますが、仏航空機製造エアバスや米航空機製造ボーイング、米衛星通信会社ロラル・スペース&コミュニケーションはスペースXのサプライヤー(部品や素材などを提供する企業)であることから、恩恵を受けると考えられます。週明け6月1日の前述3社の株価は、打ち上げ成功を受けてそれぞれ上昇しています。
また、スペースXによる打ち上げ成功の影響は、テクノロジーの革新、民間企業主導による商業宇宙ビジネスの実行可能性といった点を考慮すると、ISSへの有人宇宙船開発でスペースXと競合しているボーイングの宇宙船「スターライナー」の開発プログラムにも間接的にプラスに働くと考えられます。「スターライナー」のサプライヤーには、米軍事用航空機メーカーであるロッキード・マーチンや米航空宇宙推進システム製造会社エアロジェット・ロケットダイン・ホールディングス、米防衛会社ノースロップ・グラマンなどが挙げられ、それらの企業にもプラスの影響があると考えています。
ここまで本レポートをご覧いただきありがとうございます。
次回もぜひ宇宙の旅にお付き合いください。
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