東京海上・宇宙関連株式ファンド「2030年宇宙の旅 vol.3」

2020/06/02

宇宙関連企業の足元のビジネス動向

東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)/(為替ヘッジあり)は、ロケット等の輸送機や衛星の製造、打ち上げサービス、衛星や地上設備の運営、衛星データを活用した通信・情報サービス、関連ソフトウエア、その他周辺ビジネス等の提供を行う宇宙関連企業へ投資を行うファンドです。
衛星、ロケット等の宇宙機器製造や衛星を利用したサービス等の宇宙関連産業は、打ち上げや製造等の関連技術の向上に加えて、情報通信インフラの高度化や自動車、産業機器の自動化等のイノベーション(技術革新)の需要が重なり、中⻑期的な成⻑が期待されます。
本レポート「2030年宇宙の旅」では、成長が期待される宇宙関連ビジネスについて、その魅力と今後の展望などをご紹介していきます。

今回は、「宇宙関連企業の足元のビジネス動向」についてです。

宇宙関連企業の展望

特にテクノロジー分野において、恩恵を受ける長期的なトレンドが加速

新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年第1四半期は全体的に厳しい収益内容となり、S&P500種指数構成銘柄のうち、第1四半期の業績が市場予想を上回った企業は半分以下にとどまりました。しかし、このような環境下でも投資対象企業に恩恵をもたらすと考えられる長期的なトレンドも加速しており、 特にテクノロジー分野でその兆候は顕著となっています。

以下で、その事例をご紹介します。
 

在宅勤務のイメージ

多くの場所で外出規制・自粛命令が出されていることから、ビジネス、業務は自宅などからリモートで行わなければなりません。投資対象企業の多くは、デジタル・コネクティビティ(接続のしやすさ)の需要急増の恩恵を受けています。

例えば、コムキャスト、アメリカン・タワー、SBAコミュニケーションズなどの米国のブロードバンド接続のプロバイダーや通信インフラ企業は、テレワーク、オンライン学習、ビデオ会議、ゲーム、ビデオのストリーミング配信による通信データ使用量の大幅な増加や、ユーザーにとってのコネクティビティの重要性を、決算において強調しました。

米インターネットメディア会社フェイスブックと米オンライン小売企業アマゾン・ドット・コムの経営陣は、広告とサービス関連(ビデオのストリーミング配信、クラウド等)におけるデジタルシフトの加速は、今後も長期的なトレンドとして拡大すると述べました。
 

産業オートメーションのイメージ

米計測機器大手テラダインは、急増するワイヤレス接続の需要を満たすために5G(第5世代移動通信システム)の導入が拡大していることから、ロボットによる産業オートメーションの長期的な成長傾向は依然として強いと見ています。

米ソフトウェア会社PTCは、今後製造業が産業用のIoT(モノのインターネット)に益々依存していくことになると改めて強調しました。

今後発表される米国のサイバーセキュリティ企業(クラウドストライク・ホールディングス、オクタ、スプランク、ゼットスケーラー等)の決算においても、サイバーセキュリティのニーズの強さが強調されることを期待しています。

 

宇宙開発事業は堅調に進展

月から見た地球のイメージ

一方、宇宙開発は堅調に進展しています。

米宇宙開発企業スペースXは、4月下旬、衛星インターネット事業「スターリンク」向けの小型通信衛星60基の打ち上げに成功しました。これらの衛星は、地球全域での高帯域ブロードバンドインターネット通信網の利用を可能にするもので、2018年2月に打ち上げた試験機2基を除くと、わずか1年足らずの間に軌道上のスターリンク衛星は合計420基となりました。スターリンク衛星の打ち上げは2020年に入って5回目となり、新型コロナウイルスの感染拡大にも関わらず打ち上げ頻度は増加しています。スターリンクによるブロードバンドサービスは、2020年の後半にも北米とカナダで開始される予定です。

また、NASA(米航空宇宙局)は、4月下旬、有人月探査計画「アルテミス」における月面着陸機の開発について、スペースX、米宇宙開発企業ブルー・オリジン、米防衛宇宙企業ダインティックス(米応用科学ソリューション会社レイドス・ホールディングスの子会社)の3社と契約したと発表しました。NASAが着陸機の開発に予算を出すのは1972年のアポロ17号以来で、2024年までの有人月面着陸達成を目指しています。

その他、米国の9年ぶりとなる有人宇宙飛行や、ヴァージン・ギャラクティックによる商業宇宙旅行サービスの開始予定など、宇宙産業にとって2020年は歴史的に重要な年になると考えています。

  • ※ スペースX、ブルー・オリジン、ダインティックスを除く上記記載の銘柄は、2020年5⽉22日時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※ 上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み⼊れを保証するものではありません。
  • ※ 上記はアリアンツGIの情報を基に記載しています。

主な航空宇宙・防衛関連企業の足元のビジネス動向

航空関連企業は厳しい状況が続くも、宇宙部門を含む防衛関連企業は好調

航空機のイメージ

ロケット・衛星開発製造、打ち上げサービスなどを行う宇宙関連企業には、航空宇宙・防衛関連企業が含まれます。

航空宇宙関連では、米国をはじめ世界的に航空会社の旅客数が90~95%近く減少していることから、全世界で半分以上の航空機が停留し、現在、米国の航空会社だけで月額100億米ドルの損失が発生しています。

航空関連企業については、米国政府による新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業への支援先に含まれることから、倒産は起きそうにありませんが、旅客数が回復するには想定よりも時間を要する可能性があります。

また、キャパシティ(旅客輸送量)と運航数の劇的な減少が、航空業界のエコシステム(経済圏)全体に影響を及ぼしました。航空業界の業界構造は、「OEM(相手先ブランドによる生産。航空業界においては、機体メーカーやエンジンメーカー、装備品メーカーが該当)」、「サプライヤー(OEMに対し、部品や素材などを提供する企業)」、「メンテナンス企業(航空機の整備や修理などを行う企業)」の3つの分野に分けられますが、仏航空機製造エアバスなどのOEM企業は、数週間にわたって生産を停止し、サプライヤー企業は部品の納入を停止しました。さらに、設備投資が見送られていることから、これらに関連する企業の補修整備等の事業についても停止しています。

 
防衛関連企業では、新型コロナウイルスの感染防止のための外出規制や一定の距離を保つガイドラインによって一部の工場生産に悪影響が及び、一部サプライチェーン(供給網)で混乱が発生しましたが、大部分は通常通りのビジネス状況でした。宇宙関連を含む主要なプログラムへの防衛予算が堅調に推移したことから、防衛関連企業は概ね良好な決算を発表しました。

ロッキード・マーチンの株価推移

 
米軍事用航空機メーカーであるロッキード・マーチンは、最新鋭ステルス戦闘機F-35を製造する主力の宇宙航空部門が好調だったことにより、2020年第1四半期の売上高は9.2%増加しました。航空部門は+14%、宇宙部門は+10%の増収でした。

L3ハリスの株価推移

 
米航空宇宙・防衛関連技術会社L3ハリス・テクノロジーズの2020年第1四半期の実績も、売上高、一株あたり利益ともに市場予想を上回り、また利益率も上昇し、ポジティブな内容でした。

  • ※ 上記記載の銘柄は、2020年5⽉22日時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※ 上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み⼊れを保証するものではありません。
  • ※ 上記は過去の実績であり、将来の運⽤成果等を⽰唆・保証するものではありません。
  • ※ 上記はアリアンツGIの情報を基に記載しています。

主な資本財関連企業の足元のビジネス動向

全般的に堅調なものの、2020年の業績見通しは多くの企業が開示を撤回

ジェイコブズ・エンジニアリング・グループとディアの株価推移

宇宙ビジネスを支える関連ビジネスなどを行う資本財関連企業については、まだ全ての企業の決算発表が終わっていません。しかし、米エンジニアリング会社ジェイコブズ・エンジニアリング・グループや米農機具メーカーであるディアなど、資本財関連企業の2020年第1四半期の実績については全般的に堅調であり、サプライズはそれほど多くありませんでした。一方で、2020年の業績見通しについては多くの企業で開示が撤回されています。

再び各企業が成長軌道に戻るためには、どのように従業員の隔離、健康管理、資本配分の決定、およびサプライチェーン管理に対処していくかが最大の論点になると考えています。現時点では勝ち組と負け組を区別するのは時期尚早ですが、今後数カ月で明確になってくると思われます。

企業は、業務コスト、設備投資の削減・延期、運転資本管理とフリーキャッシュフロー(経営者の経営判断により自由に使途を決めることが可能な資金)への注力、経営陣の報酬の削減、出張の削減、新規雇用の制限等の対策を実施し、コスト面でできる限りの努力をしています。

  • ※ 上記記載の銘柄は、2020年5⽉22日時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※ 上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み⼊れを保証するものではありません。
  • ※ 上記は過去の実績であり、将来の運⽤成果等を⽰唆・保証するものではありません。
  • ※ 上記はアリアンツGIの情報を基に記載しています。

2030年宇宙の旅 vol.4 「スペースXの有人宇宙船打ち上げ成功」

宇宙飛行のイメージ

ここまで本レポートをご覧いただきありがとうございます。
次回は、「スペースXの有人宇宙船打ち上げ成功」についてご紹介します。
次回もぜひ宇宙の旅にお付き合いください。

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