東京海上・グローバルM&A戦略ファンド「組入銘柄の買収案件延期について」

2020/05/29

  • ※当資料は当ファンドの投資助言を行うP.Schoenfeld Asset Management LPのコメントをもとに作成しています。

日頃より、東京海上・グローバルM&A戦略ファンド(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
この度、組入銘柄の買収案件の延期により、当ファンドの基準価額が下落いたしましたので、その背景および足もとの運用状況等についてご説明させていただきます。

買収案件の延期について

買収対象企業:フォアスカウト・テクノロジーズ(米国)/ 買収企業:アドベント(米国)

・5月18日、買収延期の発表を受け、フォアスカウト・テクノロジーズの株価は急落。
・当ファンドでは、5月19日に同社株式を全売却。

2020年2月6日、プライベート・エクイティ会社アドベント社は、ネットワーク・セキュリティ会社のフォアスカウト・テクノロジーズ(以下、フォアスカウト社)との買収を発表しました。
当ファンドの投資助言を行うP.Schoenfeld Asset Management LP(以下、PSAM社)は、当該買収案件が①新型コロナウイルスのパンデミック宣言のあとで合意されたこと、②フォアスカウト社はサイバーセキュリティビジネスで長期的に高い成長性を持った企業であること、③ターゲットとした買収価格とIRR(内部収益率)はフォアスカウト社の長期的な成長を評価したものであること、④アドベント社の資金調達リスクが限定的だったこと等から成立の可能性が高いと判断し、当ファンドでは3月12日に同社の株式を買い入れました。
しかし、買収完了予定日の5月18日にフォアスカウト社が買収の延期を発表すると、その影響から同社株式は急落し、5月15日比で▲23.5%と大幅な下落となりました。

 

フォアスカウト社の株価の推移(2019年12月30日~2020年5月22日、日次)

フォアスカウト社の株価の推移

  • 出所:ブルームバーグ
  • ※上記は過去の実績であり、将来の動向や当ファンドの運用状況等を示唆・保証するものではありません。
  • ※上記は、過去の保有銘柄の一部を紹介するものであり、個別銘柄の推奨を行うものではありません。

 

PSAM社は、アドベント社からの買収延期の通知がフォアスカウト社の株主総会での買収承認のあとであった点から、このようなケースでは買収価格の再交渉ではなく、取引を破棄する場合が多いことや、買収が破談になった場合にフォアスカウト社の株価にマイナスの影響を与えることを考慮し、当ファンドでは5月19日付けで同社株式を全売却しています。
フォアスカウト社の発表によると、アドベント社は買収契約書のMAE条項(業績悪化など、「重大な悪影響」により買収を完了しないことを免責される条項)に抵触したため、案件を完了しなかったと主張しているとのことですが、足もとの新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、契約書上「重大な悪影響」には含まないと明記されていることから、PSAM社としてはアドベント社の言い分は通らないと考えています。
現在も両社の交渉は続いておりますが、PSAM社では、この案件を注意深くモニタリングし、状況が進展すればフォアスカウト社の組入れを再開する予定です。

運用状況と今後の運用方針

・買収延期を受けて、基準価額は5月19日に前日比で下落。為替ヘッジありは▲1.95%、為替ヘッジなしは▲1.75% の下落。
・当ファンドではポートフォリオのリスクを見直し、運用改善を図る方針。

 

基準価額の推移(2017年10月20日(設定日)~2020年5月22日、日次)

為替ヘッジあり

為替ヘッジなし

  • ※基準価額、税引前分配金再投資基準価額は、信託報酬控除後、1万口当たりで表示しています。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の動向や当ファンドの運用状況等を示唆・保証するものではありません。

 

<今後の運用方針>

当ファンドではポートフォリオのリスクを見直し、①M&Aに制約条件がついていて延期あるいは買収条件に少しでも影響のでる可能性のあるもの、②LBO(Leveraged Buyout(レバレッジド・バイアウト)の略。投資会社が借り入れを元手に純投資目的で買収する案件)でスプレッドが縮小してきたもの等のポジションを減らし、戦略的でかつ買収企業の信頼性がより高く、ポートフォリオへの寄与度が高い案件を増額していくことによって運用改善を図っていく所存です。

 

市場環境の見通し

・新型コロナウイルスのM&A案件数および破談比率への影響は限定的。
・当ファンドの基準価額は下値抵抗力を発揮し、下落幅は市場と比較しても低位。
・今後M&A案件の完了により、基準価額は回復する見通し。

 

今後、経済活動が再開し、企業の事業再開の確信度が高まるまでは、M&A活動は穏やかなものとなると考えますが、4月中に買収を発表した米通信大手ベライゾン社*のようにバランスシートが健全な企業は、今後も買収活動を継続していくと見ています。また、足もとの株価下落は安値で買収ができる好機ととらえることもでき、今後も継続的にM&A案件は存在すると考えています。
M&A案件の破談については、リーマンショック時のM&A市場がLBOが中心のマーケットであったのに対し、リーマンショック以降は企業の戦略的な買収中心に変化していることから、今回の新型コロナショック時の破談比率はリーマンショック時と比較すると小さくなると予想されます。

  • *2020年5月25日現在、ベライゾン社の当ファンドへの組入れはありません。

 

M&A案件の推移

金融ショック時のM&A案件の破談比率

 

当ファンドおよび世界株式の騰落率

当ファンドの新型コロナショックによる下落率をみますと、世界株式よりも相対的に低位に抑えられており、この下落はポートフォリオのM&A案件の完了により、今後数カ月で回復が期待できると考えています。
新型コロナウイルスの影響で規制当局の承認が遅れ、案件完了までの期間が延長される可能性はありますが、当ファンドで投資する案件の買収企業は、バランスシートが健全で、資金調達には問題はないと考えており、買収成立まで保有を継続する予定です。

  • ※上記は過去の実績であり、将来の動向や当ファンドの運用状況等を示唆・保証するものではありません。
  • ※上記の見通しは当資料作成時点でのPSAM社の見解であり、予告なく変更される場合があります。

 

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