2020/04/13
2月以降、株式市場と同程度の値動き
2月以降は、個別銘柄の魅力度に関わらず現金化を急いで売却する動きもみられるなど、極度に投資家のリスク回避姿勢が高まり、当ファンドの基準価額は21%の下落となりました(4月3日時点)。同期間の日本株式市場は20%下落しており、当ファンドは株式市場並みのパフォーマンスとなりました。
リーマンショック後の株価動向を参考にすると、オーナー企業銘柄の回復が期待できる。
リーマンショック前後におけるオーナー企業の営業利益の推移をみると、上場銘柄全体に比べ、営業利益の減益率は低く、またその後の業績回復の速度も速いことが判ります。
また、オーナー企業の株価の動きをみると、現金化とみられる売却が集中した2008年は株式市場と同程度に下落するも、底打ち後、銘柄の選別が進む局面では、株式市場よりも早く株価が上昇に向かっていることが判ります。
厳しい事業環境のなかでも迅速に対処し、⻑期的な株主利益を追求する姿勢を一貫する優れたオーナーが率いる企業は投資家から選好されやすい局面と想定されます。今回の下落局面後も株式市場の底打ち以降にオーナー企業銘柄のパフォーマンスが期待出来ると考えます。株式市場の底打ちタイミングについては次ページで考察します。
出所:ブルームバーグ
下値余地は限定的と考える。
日本株式市場は大幅に調整したものの、新型コロナ・ウイルスの感染拡大による企業業績の悪化懸念については相当程度織り込んだ水準であると考えております。
日本株式市場のPBRの推移から下値を探ってみると、過去の実績ではPBRが1倍を下回る水準で底値を付けていることが判ります。
足元の日本株式市場のPBRは0.93倍(4月3日時点)と1倍を下回る水準であり、変動性は高い状況が継続する可能性はあるものの、ここから更なる下値余地は限定的と考えております。
PBR(株価純資産倍率)は株価が1株当たり純資産に対して何倍まで買われているかを示す、割安度を計る指標の一つです。 一般的に、PBRが1倍を下回っている際には、その銘柄の純資産価値(=解散価値)を下回っていることを意味し、割安とみることができます。 |
新型コロナ・ウイルス収束後の株式市場の急速な回復を予想。
新型コロナ・ウイルスの感染拡大については、他国の例を見れば遠くない時期にピークアウトすると見込んでいます。
当面は企業業績に対する不透明感は強いものの、新型コロナ・ウイルスが収束し、平時の状態に向かう状況になれば、金融・財政政策の下支えもあり、株式市場は急速に回復するとの見通しがメインシナリオと考えております。
中国の経済活動が回復しつつあること、イタリアやスペインで新型コロナ・ウイルス新規感染者数が鈍化していること、開催が不安視されていた東京五輪が中止ではなく延期にとどまったことなど、最悪期を脱しつつあることがうかがえる材料も徐々に増えてきたことも後押しになると考えております。
想定以上に新型コロナ・ウイルスの影響が⻑期化するリスクには注意が必要ですが、日銀によるETF購入、企業の株主還元強化も株価の下支え継続になると考えます。
上記を鑑み、2番底のリスクはあるものの、新規感染者数の減少や特効薬の開発などのニュースフローとともに底打ち、上昇することを期待しています。
✔︎好調な上位銘柄への確信度は変わらず。
✔︎⼤きな銘柄⼊れ替えはせず、保有ウェイト調整し、リスクシナリオにも備える。
サイバーエージェントは2⽉末時点の最上位組⼊銘柄です。外出を⾃粛する動きが強まるなか、週間利⽤者が1,000万⼈を超える「AbemaTV」事業の収益化を期待しています。
セリアは100円均⼀ショップを展開しており、競合も激しい業界ながら、商品、店舗のデザインやコンセプトで優位性があり、⾼い収益性が継続する可能性が⾼いとみています。
エフピコは惣菜トレーやコンビニ弁当の容器など、⾷品容器の専業メーカーとして成⻑を遂げています。⾜元の原油価格の下落を背景に原材料費が抑えられること、外⾷から中⾷・内⾷の流れが進み、トレーや容器の需要が増加することを⾒込み、上位銘柄として保有しています。
全体では、⼤きく保有銘柄の⼊れ替えは⾏っていませんが、景気後退の懸念や、企業の信⽤⼒に注⽬が集まる局⾯が到来する可能性に備え、保有銘柄のウェイトを調整し、ややディフェンシブ性を⾼めたポートフォリオとしています。
政府の経済対策には、打撃を受けた旅⾏業、運輸業、イベント業等への⽀援が盛り込まれており、それらの事業者の中でもオーナーのリーダシップにより早期の業績回復が期待できる銘柄等への投資タイミングを探る⽅針です。
【当資料で使用している市場指数について】 TOPIX、東証2部、東証マザーズ(以下、同指数)は東京証券取引所が発表している株価指数です。同指数の指数値および商標は、東京証券取引所の知的財産であり、同指数に関するすべての権利およびノウハウは東京証券取引所が有します。東京証券取引所は、同指数の指数値の算出もしくは公表の方法の変更、公表の停止、同指数の商標の変更、使用の停止を行う場合があります。 |
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