2021/05/26
アニコム ホールディングスは、ペット保険事業、動物病院支援事業、動物医療分野における研究・臨床事業、ペット関連インターネットサービスなどを行う子会社を傘下に持つ、日本のペット関連企業です。
今回は、アニコム ホールディングスの中長期戦略と足元の決算状況をご紹介します。
同社は、ペット保険事業においては国内マーケットシェアの約50%を有する最大手ですが、日本のペット保険は、年率二桁成長を遂げている成長業界であるにもかかわらず、普及率が未だ低いことから、この成長の恩恵を享受する良好なポジションにいると考えています。
加えて、ペット保険にとどまらず、動物業界にとって必要不可欠な「インフラプレーヤー」としての地位を確立すべく、遺伝子検査事業、ブリーディングサポート事業、どうぶつ診療関連事業など、ペットの生前からお別れまでの各ライフステージにおいてサービスを提供する新規事業展開を加速し、中長期的には、「予防による健康寿命延伸」という新たな価値を提供することを目標としています。
例えば、遺伝子検査をすることにより避けられる遺伝病を、繁殖前後の遺伝子検査によって回避したり、それらの事業により蓄積したデータを活用し、ブリーディング現場における種々の課題(新たな遺伝病等の発生など)を解決することを目指しています。
また、どうぶつ診療関連事業では、動物病院の運営を通して保険金や診療関連データを収集・分析・活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。
近年では、ペット保険の最大手企業として豊富な保険関連データを有していることを活かし、ビッグデータ分析に力を入れています。
2021年2月には、AI(人工知能)技術を用いてペットの顔写真からその後の病気を予測するシステムについて、世界初となる特許を日本で取得したと発表しました。
こうした取り組みが、新たなペット保険契約の獲得、支払保険金の削減、顧客維持率の向上にとどまらず、新たな収益機会の獲得につながり、他社との大きな差別化要因になると考えています。
先日、同社は2021年3月期の通期決算を発表しました。前述の取り組み等が奏功し、経常収益は前期比+15.9%、経常利益は前期比+26.0%と大幅な増収増益となりました。
しかし、通院頻度の増加による発生保険金の増加や保険獲得のための代理店手数料の増加などを背景に、会社計画比で経常利益が予想を下回ったことや、2022年3月期の経常利益予想が事前予想を下回ったことなどが嫌気され、株価は下落しました。
2022年3月期の経常利益予想については、足元のペット飼育事業を確実に取り込むことに加え、予防型保険会社の確立やより独自性のあるサービスの構築のために積極的に投資を行う姿勢を示しており、将来収益の極大化を目的としたものだと考えています。
当ファンドでは、高い競争優位性を有し、差別化された商品・サービスを提供し、ペット関連業界成長の恩恵を受け、長期的に高い利益成長を達成すると考える企業の組入比率を高位に維持する方針で運用を行っています。
その観点から、アニコム ホールディングスはペット業界にとって必要不可欠なインフラプレーヤーとなる可能性があり、当ファンドの投資対象として魅力的と考えているため、引き続き同社への投資を継続していく方針です。
期間:2019/12/30~2021/05/21、日次
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