2021/01/22
東京海上・インド・オーナーズ株式オープンは、東京海上・オーナーズシリーズの第2弾として、2020年4月に設定された公募投資信託です。インドの企業の株式等の中から、経営者が実質的に主要な株主である企業を主要投資対象とし、経営者のリーダーシップに関する定性分析を重視しつつ、企業の成長性・収益性に比較して割安であると判断される銘柄へ投資します。
本レポート「インドに熱視線!」では、有望な投資先として注目を集めるインドの魅力や、そこで活躍するオーナー企業などについてご紹介していきます。
今回は、東京海上・インド・オーナーズ株式オープン「2021年の見通し」です。
当資料は、東京海上・インド・オーナーズ株式マザーファンドの株式等の運用を行う東京海上アセットマネジメント・インターナショナルのコメントおよび各社の開示資料を基に作成しています。
インドは約13億人の人口を抱える大国ということもあり、新型コロナウイルスの感染者数が米国に次いで世界で2番目に多い水準となっています。しかし、新規の感染者数は低下傾向にあり、足もとの状況は大幅に改善しています。
また、2021年1月中旬から同国でワクチン接種が開始されていることも前向きな材料として挙げられます。ワクチンの普及に伴い、旅行、レジャー、サービス業などの新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業種を中心に、経済が正常化していくことが期待されています。
経済政策の面では、2020年11月にインド政府は、国内製造業の振興のため、6月に携帯電話や電子機器向けで始動した生産連動型優遇策(PLI)の適用分野を拡大すると発表しました。新たに自動車・自動車部品、先端化学・セル電池、医薬品など主要10分野が追加となり、インドに更なる投資を呼び込む狙いがあると考えられます。また、制度が複雑で、同国への進出を検討する外資系企業の足かせとなっていた労働法を改正するなどの改革も実施しています。これらの政策は、インドの製造業の競争力を高めることにつながると考えています。
2021年のインド株式市場は、ワクチン接種の進展による経済正常化への期待や世界各国の中央銀行による大規模な金融緩和政策などを背景に引き続き堅調に推移すると見ています。
また、巨大な人口を抱えていることに加えて生産年齢人口が多く、高所得者層の増加などによる消費拡大が期待できる点も中長期的に相場を押し上げる要因になると見ています。
一方で、コロナショック以降の急激な株価上昇を受け、インド株式市場のバリュエーション(株式価値評価)は過去最高水準にあるため、今後はより慎重な銘柄選択が必要になると考えています。
こうした市場環境下においては、経営者のリーダーシップが発揮されることが期待され、かつ企業の成⻑性・収益性に比較して割安と判断される銘柄に投資する当ファンドの投資手法が有効に機能すると考えています。以下では、2021年に注目しているオーナー企業をご紹介します。
金融セクターでは、中古車関連の金融事業を展開するシュリラム・トランスポート・ファイナンスやマイクロクレジットの大手であるバンダン銀行などの企業に注目しています。これらの企業が展開する事業は、顧客の日々の生活に不可欠であり、コロナ禍によるマイナスの影響を受けにくいと考えます。足もとでは、延滞率やデフォルト率などの重要な指標も大幅に改善しています。
通信サービス事業者に対しては引き続きポジティブな見方をしています。長期間にわたり激しい競争が続いたため、資本力が劣る企業の撤退が進み、残った一部の企業が恩恵を受けられる環境が整いつつあります。また、データ通信の需要は拡大する一方で、多額の設備投資が必要となる5Gの普及はしばらく先となると予想されているため、この先数年間は安定的な収益をもたらす環境が続くと見ています。当ファンドではこの分野への投資として、リライアンス・インダストリーズとバーティ・エアテルというインド国内で上位2社の通信ネットワーク企業(リライアンス・インダストリーズについては、傘下のリライアンス・ジオが通信大手)を保有しています。
また、インドの農村部で事業を展開している企業にも注目しています。インドの人口の大部分が居住する農村部では、一人当たりの所得水準が上昇するにつれて、財やサービスの消費が拡大すると予想しています。都市部では既に多くの製品が流通していますが、農村部での普及はこれからであり、中長期的に市場の拡大が期待できます。
インドの消費財大手ダブール・インディアは、農村部に築いた幅広い販売ネットワークを活用し、ヘルスケア関連製品等の売上を伸ばしています。TTKプレステージはフライパンや圧力鍋などの製造・販売を行う家庭用機器メーカーですが、農村部の電気や調理用ガスの利用環境が大幅に改善されていることに伴い、同社製品の需要が高まることを期待しています。
ここまで本レポートをご覧いただきありがとうございます。
次回もぜひインドの魅力にお付き合いください。
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