東京海上・宇宙関連株式ファンド「2020年8月末までの運用状況と今後の見通し 〜コロナ禍の中でも、勢いを増す宇宙関連ビジネス〜」

2020/09/17

本レポートは、当ファンドの宇宙関連株式の運用を行う「アリアンツ・グローバル・インベスターズU.S.LLC(以下、アリアンツGIといいます)」のコメントおよび見通しを基に東京海上アセットマネジメントが作成しております。

2020年の世界株式の動向

2020年1~8月の世界株式は、値動きの大きい状況となりました。

2020年初には、前年の流れを引き継ぐ形で株式市場は堅調に推移しましたが、2月中旬に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が顕在化したことで、株式市場は大きく下落しました。その後も、世界的なロックダウン(都市封鎖)や経済活動に制限が設けられたことによる景気後退懸念から、株価の下落ペースは加速しました。

4~6月には、各国・地域の政府による財政出動や中央銀行による前例のない規模の金融緩和策の実施により株式市場は落ち着きを取り戻し、上昇に転じました。足元では、引き続き経済指標の改善や中央銀行の緩和的な金融政策などを背景に、株価は堅調に推移しています。 

2020年、注目の宇宙関連イベント・ニュース

コロナ禍でも勢いを増し、世間と投資家の注目を集める宇宙関連ビジネス

■2020年の宇宙関連のトピックとしては、5月にスペースXの「クルードラゴン」が2名の宇宙飛行士を乗せて実施した有人宇宙飛行試験を実施したことが挙げられます。米国にとって9年ぶりとなる有人宇宙飛行は、ケネディー宇宙センターから22時間かけ、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしました。その後、約2か月間ISSに滞在し、8月2日(現地)に無事に地球に帰還しました。

■ヴァージン・ギャラクティックは同社の宇宙船「SpaceShipTwo」による初の商業宇宙旅行を2020年に実施する方向で準備を進めていましたが、新型コロナウイルスなど足元の市場環境をうけ、最初の商業飛行は2021年1-3月期になる見込みです。

■ヴァージン・ギャラクティックおよびスペースシップ・カンパニー(ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船製造会社)はNASA(米国航空宇宙局)との間で航空宇宙契約(Space Act Agreement)に基づく協定を結びました。この協定により、NASAとの間で技術を共有することが可能となり、民間でも利用可能な超音速飛行技術の開発が加速するものと思われます。

■アマゾン・ドット・コムのクラウドコンピューティングサービスであるアマゾンウェブサービス(AWS)は航空・宇宙および衛星ソリューションと呼ぶ新ユニットを設立すると発表しました。この発表はより多くのリソースを宇宙経済の発展に向けることになる重要なものと考えています。

■中国と米国は7月にそれぞれ火星探査機を打ち上げました。中国は7月23日に火星探査機「天問1号」を打ち上げ、米国は7月30日に火星探査車「パーシビアランス」を打ち上げました。


2020年上期の宇宙経済分野では多くの活動が見られましたが、今後も増えていくものと思われます。

 

  • ※上記記載のヴァージン・ギャラクティックおよびアマゾン・ドット・コムは2020年8⽉末時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※上記記載の銘柄への投資を推奨するものではありません。また当ファンドへの組み⼊れ等を⽰唆・保証するものではありません。なお、スペースXおよびスペースシップ・カンパニーは当資料作成時点で上場しておりません。
  • ※上記は、当資料作成時点のアリアンツGIの⾒通しであり、将来の市場環境の変動等により変更される場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
  • ※写真はイメージ図です。

2020年初来のファンドの運用状況

■当ファンドの2020年初来からのパフォーマンスは、新型コロナウイルスの影響により大きく下落する局面もあったものの、8月末時点で為替ヘッジなしが+0.2%、為替ヘッジありが+3.8%と、世界株式(MSCI ACワールド指数(配当込み、円換算ベース))の-0.5%を上回り、堅調に推移しています。

■また、主な売買動向としては、グループ3(宇宙ビジネスを支える関連ビジネス)の3銘柄、グループ2(宇宙データの利用サービス)の2銘柄を新たに組み入れました。
  • *ファンドの騰落率は基準価額(税引前分配金再投資)ベース
  • *世界株式の騰落率は基準価額算出基準に合わせて、前営業日(2019年12月27日~2020年8月28日)の騰落率を使用。

基準価額の推移

  • ※世界株式はMSCI ACワールド指数(円換算ベース)の前営業日のデータを使用しています。なお、MSCI ACワールド指数は当ファンドのベンチマークではありません。
  • ※騰落率は税引前分配金を再投資したものとして計算していますので、実際の投資家利回りとは異なります。
  • ※基準価額、基準価額(税引前分配金再投資)は信託報酬控除後のもので、1万口当たりで表示しています。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

グループ別構成比率の比較(2019年8月末時点、2020年8月末時点)

グループ別構成比率

 

グループ3の構成比率を高めている理由

■宇宙関連ビジネスは、衛星の製造、打ち上げ、関連サービス分野以外にも、様々な分野に広がっており、今後更なる技術革新により、拡大していくと思われます。

■中でも、グループ3 (宇宙ビジネスを支える関連ビジネス)に分類される企業は、宇宙関連ビジネスの市場拡大を牽引しています。すでに、5G、AI、IoT(Internet of Things)、産業インターネット、クラウド・コンピューティング、ブロックチェーン、自動運転技術や都市交通システムなどに幅広く展開されています。

■さらに、デジタル化、サイバーセキュリティ、有人宇宙飛行、衛星等の運用、宇宙ステーション、衛星コンステレーション、地上ステーション、地理空間画像なども出現しており、これらのグループ3の企業は、宇宙経済の成長を後押しする有力なビジネスと思われ、当ファンドでは積極的にグループ3の企業に投資を行っています。

  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

主なプラス寄与銘柄(2020年8月末時点)

スプランク

株価の推移

 

・AIを支える技術のマシンラーニング(機械学習)やAIインフラのソフトウェア・プロバイダーとして独自の地位を築いています。

・Splunk Cloud(クラウド監視ツール)などのクラウド分野の年間繰延収益*成長率が予想を上回っていることや、2023会計年度のフリーキャッシュフローの見通しを10億米ドルと据え置いたことなど、コロナ禍においても今後も堅調な業績が期待でき、株価も上昇しました。

・当ファンドでは今後も株価の堅調さは継続すると見ていることから、足元でポジションを増やしています。

*企業の売り上げの中で将来的に継続性が高いと考えられる売上

クラウドストライク ホールディングス

株価の推移

 

・次世代エンドポイント・プロテクション*を提供するサイバー・セキュリティ企業であり、クラウドを通じてサブスクリプション(継続課金)型モデルのソリューション(Falconプラットフォーム)を提供しています。

・2019年の株式新規上場以来、クラウド利用の加速や個人所有端末の業務利用、在宅勤務の増加傾向からウィルス対策などのセキュリティ強化の需要が高まっている恩恵を受け、同社は継続して収益を伸ばし、市場シェアを拡大させています。

*サイバー攻撃から守るためのセキュリティ対策のこと

オクタ

株価の推移

 

・高成長しているクラウドベースの次世代サイバー・セキュリティ企業であり、企業向けID管理プラットフォームを提供しています。

・オクタはクラウド、ハイブリッドIT、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、ゼロ・トラスト・ネットワーク(内部ネットワークを信頼しないことを基本とするネットワークモデル)、テレワークなどの数多くの長期的なトレンドから恩恵を受けていくでしょう。

  • ※上記記載の銘柄は2020年8⽉末時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み⼊れを保証するものではありません。
  • ※上記は、当資料作成時点のアリアンツGIの⾒通しであり、将来の市場環境の変動等により変更される場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

主なマイナス寄与銘柄

ビアサット

株価の推移

 

・米国や世界各地の企業、消費者、政府に、高品質のブロードバンド・ソリューションを提供しており、衛星から、地上インフラ、ユーザー端末まで、一貫した通信技術やサービスを提供しています。

・米大手航空会社の経営陣が、機内にフリーWi-Fiを導入する可能性に言及し、同社の収益性の低下懸念から株価が下落しました。

・但し、全般的なフリーWi-Fi導入の拡大によりデータ通信量の増加需要も見込まれ、周波帯も増やす必要があるなど、同社にとって中長期的にはプラスになると見ています。

エアバス

株価の推移

 

・商業用ジェットや部品を開発、製造し、改造や関連サービスを提供しています。

・新型コロナウイルスの感染拡大により商業航空旅行が難しくなったことや、巨大航空機メーカー全般のキャッシュフローや流動性に対し懸念が高まったことなどから、同社の株価も軟調に推移しました。

また、当ファンドではグループ3に分類する、Apple(アップル)については、これまで非保有だったことが、パフォーマンスのマイナス要因となりましたが、5G iPhoneに対する需要は高いものであると判断し、7月に組み入れを行いました。
  • ※上記記載の銘柄は2020年8⽉末時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み⼊れを保証するものではありません。
  • ※上記は、当資料作成時点のアリアンツGIの⾒通しであり、将来の市場環境の変動等により変更される場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

世界株式および宇宙関連株式の今後の見通し

年末にかけて、新型コロナウイルスのワクチン開発や各国政府の景気刺激策によって、足場を固める状況へ

画像

 

アリアンツGIでは宇宙経済の見通しは注視しつつも、2020年末にかけて足場を固めていくと考えています。

世界経済や株式市場は、
 新型コロナウイルスのワクチン開発の良好な治験結果
 新型コロナウイルス検査の進歩(FDA(アメリカ食品医薬品局)が、緊急使用許可したアボット・ラボラトリーズの15分で結果が分かる検査キットなど)
 政府や中央銀行の前例のない規模の景気刺激策
に下支えされていくと思われます。

2020年前半は、テクノロジー関連銘柄が市場を牽引しましたが、2020年末にかけてもその流れは継続する可能性があると考えています。前述のワクチンや検査方法の進捗、一層の景気刺激策などによる下支え効果は、経済再開によって資本財、化学、金融などのシクリカル銘柄(景気敏感銘柄)へと広がっていくと考えています。

当ファンドの今後の運用方針について

数多くの魅力的な成長機会を有する宇宙関連事業は、今後も依然魅力的な投資対象であると考える

世界的な景気回復には一定の時間が必要と考えられますが、足元では、多くの国や地域で移動制限が緩和されるなど、経済活動の再開に向けた動きが加速しています。株式市場ではボラティリティ(価格変動)の大きい状況が継続すると思われますが、世界の宇宙経済分野では引き続き魅力的な成長機会を有する銘柄を見出だすことができると考えています。

当面は、グループ3に分類されるゼットスケーラー、スプランク、クラウドストライクのような革新的な技術を有する企業を重視したポートフォリオにシフトさせるという戦略を継続します。さらに、画期的な勝ち組となる成長の速い企業も組み入れていく予定です。例えば、足元では、グループ2のテスラ、ケマーズ、アクサルタ・コーティング・システムズ、アプティブ、グループ3のエリクソン、ノキアをポートフォリオに組み入れました。

ケマーズ、アクサルタ・コーティング・システムズ、アプティブはシクリカル銘柄(景気敏感銘柄)で、経済活動の再開に伴い、業績成長が期待できる銘柄です。

また、中期的な観点では、世界の宇宙関連ビジネスの堅調な見通しに変化はないと考えています。
  • ※上記記載の銘柄は2020年8⽉末時点の東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄です。
  • ※上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後のファンドへの組み入れを保証するものではありません。
  • ※上記は、当資料作成時点のアリアンツGIの見通しであり、将来の市場環境の変動等により変更される場合があります。
  • ※上記は過去の実績および将来の見通しであり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

運用担当者から日本の投資家へのメッセージ

劇的に拡大していく宇宙関連ビジネスは未だ成長途上、今後の成長力に期待

今後数年間にわたり、宇宙関連事業の技術革新は、速いスピードで進み、宇宙関連ビジネスの市場規模は劇的に拡大していくと確信しています。

当ファンドは、衛星やロケットなどの伝統的な宇宙分野だけでなく、技術革新により宇宙という空間を活用して提供されるサービスや新技術などの新しい宇宙関連ビジネスにも投資するファンドです。言い換えれば、防衛・航空関連のような成熟した企業から得られる投資機会に加え、昨今の急速な技術革新の恩恵を受けやすく、今後の成長が期待される初期段階の企業にも投資機会を求めています。運用チームは双方の投資機会からバランスよく収益を得られるように銘柄を選別し、ポートフォリオを構築しています。

運用チームでは、グループ3に分類される、5G 、AI、IoT、インターネット、クラウド・コンピューティング、ブロックチェーン、自動運転、都市交通システムなどに注目しており、今後数年に亘り、宇宙経済の重要な注目材料になると見込んでいます。

宇宙関連株式は短期的にはボラティリティ(価格変動)が高まると思われますが、最終的には業績の伸びが長期的な株価の牽引役となるでしょう。そして、宇宙関連事業はまだ初期段階であると考えており、今後更なる成長が期待できると見ています。 アリアンツGIではこれからも宇宙関連株式は十分な投資機会があると考えており、リサーチ重視のボトムアップ・プロセスはこのテーマで作り出される価値を捉える最も効果的な手段であると考えています。当ファンドでは、引き続き宇宙関連事業を展開し成長が期待される世界の企業に焦点を当て、長期的なリターンの獲得を目指します。

今後注目すべき動き

政府による宇宙探査投資額予測

 

・政府による宇宙探査:
2023年~2027年の市場規模は
約9.8兆円

宇宙資源探査にあたっては、民間のみならず政府レベルでも様々なプロジェクトが進んでいます

宇宙関連の政府予算は増加傾向にあります。そして、今後の宇宙資源開発に民間企業の技術は欠かせないものと考えられることから、宇宙関連の政府予算の拡大は民間企業にとっても、大きな成長要素となることが予想されます。

・宇宙イノベーションパートナーシップ
(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation )


宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation )は、事業意思のある民間事業者等とJAXAの間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい研究開発プログラム。

異分野の人材、技術、資金などを糾合するオープンイノベーションに係る取り組みにより、ベンチャーから大企業まで様々な新しい民間事業者等と共に、宇宙分野に閉じることのない技術革新、イノベーション創出を目指します。
  • 各種報道発表等を基に、東京海上アセットマネジメントが作成
  • ※上記は、当資料作成時点のアリアンツGIの見通しであり、将来の市場環境の変動等により変更される場合があります。
  • ※上記は過去の実績および将来の予想であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。

東京海上・宇宙関連株式ファンドの概要・リスク・手数料等は以下をご覧ください。

【使用した指数について】

【ご留意事項】

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