進むがん治療薬開発の企業間提携2 ~第一三共とアストラゼネカのがん治療薬におけるグローバル提携~

2020/07/29

 

2020年に入り、ヘルスケアセクターにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大により、新型コロナ治療薬やワクチンの開発に注目が集まるなか、依然としてがん治療分野は製薬企業にとって重点分野であることに変わりはないようです。

今回は、7月27日に発表されたがん治療薬の開発・販売に関する提携についてご紹介します。

がん治療薬に関するグローバルな提携

2020年7月27日に、日本の製薬大手「第一三共」と英国製薬大手「アストラゼネカ」は、主に肺がんや乳がんの治療薬として期待が高まる抗体薬物複合体(ADC)のDS-1062に関して、グローバルな開発および販売に関する提携を発表しました。今回の提携により実用化に向けた動きがさらに加速するとともに、両社の有するグローバルな販売網を通じて、より多くのがん患者に最新のがん治療薬が投与されることが期待されます。

また本提携では、第一三共はアストラゼネカより10億米ドル(約1,053億円*)の契約時一時金を受け取り、すべての開発、販売のマイルストンを達成した場合は契約一時金を含め最大60億米ドル(約6,317億円*)を受け取る可能性があります。(*1米ドル105.28円で円換算)

DS-1062に関する売上収益は、日本、米国および第一三共が拠点を有する欧州などでは第一三共が受け取り、中国、オーストラリア、カナダ、ロシアなどではアストラゼネカが受け取ることとなります。

抗体薬物複合体(ADC)とは:

一般的な抗がん剤は、“細胞にダメージを与える薬”であるため、がん細胞のみならず正常な細胞にもダメージを与えてしまい、重篤な副作用が多いことが欠点でした。抗体薬物複合体は、抗がん剤と抗体(体内に侵入した病原体などの異物に結合し異物を排除するように働くタンパク質)を結合することで、がん細胞に標的を絞って攻撃し、正常な細胞への影響を軽減させる可能性のある薬剤です。

2019年3月に次ぐ2回目の提携発表

日米で2020年に販売を開始した乳がん向けのADC「エンハーツ」に関しても、両社は2019年3月29日にグローバルでの開発・販売に関する提携を結んでおり、両社の提携については、2019年以降2回目となります。

また、治験の初期段階にあるDS-1062の提携発表は市場参加者にとってサプライズとなり、第一三共の7月28日の株価は前日比+10.3%と急伸しました。

がん治療分野では、2019年以降M&A(企業の合併・買収)や提携が進んでおり、各社の持つ研究開発力や販売力を活用することで、がん治療分野の拡大に取り組んでいます。このような取り組みからも、がん治療分野は今後も成長市場の一つと考えられます。

第一三共の株価の推移

 

アストラゼネカの株価の推移

 

  • 出所:ブルームバーグ
  • ※ 上記記載の銘柄への投資を推奨するものではありません。また、当社ファンドへの組入等を示唆・保証するものではありません。
  • ※ 上記は過去の情報および将来の見通しであり、将来の動向等を示唆・保証するものではありません。

 

投資信託に係るリスクについて

投資信託は、主に国内外の株式や公社債等値動きのある証券に投資をしますので、これら組み入れ資産の価格下落等や外国証券に投資する場合には為替の変動により基準価額が下落し、損失を被ることがあります。

投資信託は、預貯金や保険と異なります。また、投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 個別の投資信託毎にリスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面等をよくご覧ください。

投資信託に係る費用について

購入時に直接ご負担いただく費用 購入時手数料上限3.3%(税込)
換金時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額上限0.5%
保有期間中に間接的にご負担いただく費用 信託報酬上限 年率2.035%(税込)
※ファンド・オブ・ファンズでは、一部を除き、ファンドが投資対象とする投資信託証券の運用管理費用等を別途ご負担いただきます。
その他の費用・手数料 監査報酬、有価証券売買時の売買委託手数料、信託事務等に要する諸費用等をファンドの信託財産を通じて間接的にご負担いただきます。

詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をよくご覧ください。

※お客さまにご負担いただく手数料等の合計金額については、お客さまの保有期間等に応じて異なりますので表示することができません。

ご注意

上記のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しています。 費用の料率につきましては、東京海上アセットマネジメントが運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しています。費用の詳細につきましては、個別の投資信託毎の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をよくご覧ください。
投資信託にかかるリスクや費用は、投資信託毎に異なりますので、ご投資をされる際には、事前に投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面をよくご確認ください。

商号等:
 東京海上アセットマネジメント株式会社
 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第361号
加入協会:
 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

【ご留意事項】

おすすめファンド・コンテンツ

インフレ時代の資産形成のポイントとは?
オーナー企業×インド 東京海上・インド・オーナーズ株式オープン
東京海上・米国短期国債ファンド(愛称:コメタン)特集ページ

ページの先頭へ