
私は20年以上にわたりオルタナティブ投資、その中でも特にプライベートエクイティ投資に携わってきました。ここではこれまでのオルタナティブ投資での「挑戦」についてお話ししたいと思います。
TMAMは、プライベートエクイティ、ヘッジファンド、内外不動産、インフラ投資といったオルタナティブ投資全体においてマーケットをリードするポジションにあると自負しています。なぜこのようなポジションを築くことができたのかは、様々な要素が絡み合った複合的な結果のため簡単に説明できるものではありませんが、最大の要因は昔から新しいことに挑戦することを後押しする土壌が会社のカルチャーとして備わっていたからであり、その中で誰もやっていないことに率先して取り組んできた先人たちのおかげだと言えます。一般的に他の事においても同様ですが、皆と同じことをやっていては競合対比の優位性を発揮することは難しくなります。誰よりも先んじて何かをやることは、ルールのない道を歩くことを意味しますが、細かくルールを決めて物事を進めることが当たり前の金融業界においては簡単なことではありません。
TMAMでは日々の業務や短期の目標だけでなく、中長期のことも常に考え仕事をすることを大事にしており、こうした将来を見据えた先駆的な取り組みが、結果としてオルタナティブ投資で一歩リードする革新的な商品やサービスの創出を可能にしていると思います。
オルタナティブ投資の特性として、説得力のあるトラックレコードを作るためには伝統資産よりも長い10年単位の歳月が必要です。これにより他の運用会社がそう簡単に追いつくことができない一方で、何事においてもリードを維持することは容易ではありません。TMAMのオルタナティブ投資の各チームには、業歴の長い経験豊富なメンバーが築き上げた洗練された投資プロセスとそれに裏打ちされた長期の優良なトラックレコードがあり、それらが競争力の源となっていますが、リードを維持するのに必要なものはそれだけではありません。オルタナティブ投資は管理に手間がかかるため、ミドル・バックの機能やシステム対応も非常に重要です。TMAMはそれら機能の拡充に早くから注力してきたことが、複数のオルタナティブ資産を横断して高いサービス力を発揮でき、オルタナティブ投資全般でリードを維持することに役立っていると考えています。今後も、フロントとミドル・バック両輪の能力・機能を伸ばし競争力を維持・強化していくことが、中長期的にリードを保つのに欠かせません。
さて、先駆者となるために、個人としてはどういった素養が必要かを少し考えてみたいと思います。オルタナティブ投資を極めるには、広範囲のスキルセットを磨く必要がありますが、私はその中で最も大事な要素は飽くなき探求心だと考えています。特に、オルタナティブ投資においては投資判断を行うにあたり必要な情報収集が容易ではなく、ウェブ検索やAIが広く普及している現在においてもかなりアナログ且つ属人的な方法に頼らざるを得ません。また、オルタナティブ投資にまつわる規制・会計・税務などの専門知識も常に変化していくので、自分で意識して最新の状態にアップデートしていく必要があります。
TMAMは長年にわたりオルタナティブ投資に取り組んでいますが、その状態において先駆者になる(なり続ける)には攻め続ける必要があります。何もない時に攻めるのは容易ですが、足元に出来上がったものがあるのに更に攻めるのはリスクもあり勇気がいります。しかしながら、攻めるのを止めると現状維持しかできず、立ち止まってしまうとすぐに誰かに追いつかれ追い越されていくのは明らかです。常に飽くなき探求心や挑戦する意識を持ち、新しいことに臨むことを心がけるマインドセットを大事にして、TMAMは先駆者であり続けたいと思っています。