お客様本位の業務運営

1.お客様本位の業務運営に関する方針

 当社は、お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点に置いています。
 お客様から信頼を頂き、お客様にとってなくてはならない会社となる為に、高い専門性を維持・向上(Professionality)させるとともに、先進的な商品・ソリューションを持続的に開発(Innovation)します。また、お預かりした資産の運用、商品・ソリューションの提供や契約の締結等の当社業務全般において誠実な運営(Integrity)を行い、お客様の利益を最優先いたします。

 具体的には次項以降の取り組みを通じ、上述の行動指針 “TMAM Quality”を企業文化として維持し続けます。

(1)利益相反の適切な管理

 当社は、ご提供する商品の組成やお預かりした資産の運用に関して、お客様との利益相反の可能性がある事項について把握し、「利益相反管理方針」(以下のページ参照)のもと適切な管理を行っています。

 「利益相反管理方針」では、例えば以下の事項についての管理方法を定めています。
①議決権行使に関する利益相反
②親会社が発行する有価証券購入に関する利益相反
③商品組成における利益相反

(2)運用報酬等の明確化

 当社がお客様から受領する報酬については、「運用報酬等決定における基本方針」に則り、目標収益率やリスクレベルならびに商品提供スキーム等を鑑みて合理性のある水準で設定しています。また、次項の取り組みを通じ、お客様にご負担いただくコストを分かり易くお伝えできるよう、取り組んでいます。

(3)重要な情報の分かりやすい提供

 お客様にご負担いただくコストについては、費目別にどのようなサービスの対価であるかご理解頂けるよう開示しています。
 また、当社は公募投信(以下、「ファンド」と言います)を販売会社を通じてお客様にご提供しているため、販売会社からお客様へ配布する資料や、当社ホームページにおいてご提供する資料について、「投資家目線でのわかりやすさ」を向上させるという観点から、プロダクトの特性に応じた「わかりやすい資料」を作成し、投資方針・運用報酬等を含む重要な情報をより良く理解頂けるよう取り組んでいます。
 機関投資家のお客様に対しては、市場動向や新たな投資分野・手法等、お客様のニーズに即した情報の提供を実施しています。

(4)適切なサービスの提供

①商品開発に関する取り組み
 当社は、先進的な商品・ソリューションを持続的に開発すべく、お客様のニーズは元より、各種運用方法・投資対象に関する調査、研究を積極的に行い、独自性のある商品の提供に取り組んでいます。
②運用に関する取り組み
 当社は、お預かりした資産に関するリスク管理の徹底、自社運用力の更なる強化、運用委託先に対する適時適切なモニタリング等を通じ、お客様へ提供する商品の品質、サービスの一層の向上に努めています。
③販売に関する取り組み
 当社のファンドに関しては、販売会社を通じてお客様に提供しています。顧客層を特に意識したファンドについては、販売会社に提供する販売用資料等に工夫を行い、想定する顧客層のニーズに即した情報提供を行います。

(5)お客様のニーズに基づいた運用、経営を担保する仕組み

 当社は、お客様のニーズに基づいた商品の開発、運用を行うため、お客様との間で利益相反を生じる可能性がある取引等に対しては、各種社内規程による制限の他、コンプライアンス委員会、責任投資モニタリング委員会等を含む社内組織が主体となって継続的に管理を行っています。
 利益相反に係る管理体制を含む内部統制の状況については、内部監査部が検証を行うとともに、独立社外取締役を含む取締役会において監督と定期的な見直しを実施しています。
 また、受託者責任の観点を評価、処遇に反映させる等、受託者責任の忠実な履行を促す人事制度によりお客様の利益が社員の評価となる仕組みの整備や社員に対する継続的な研修を実施しています。

2.お客様本位の業務運営に関する取組状況

 「お客様本位の業務運営に関する方針」に関する取組状況について、以下の通りご報告いたします。

(1)利益相反管理に関する取り組み

 「利益相反管理方針」に基づく管理に加え、お預かりした資産の運用、商品の提供や契約の締結等の当社業務全般においてお客様の利益を最優先するため、以下の取り組みを行っております。

①ファンドの勧誘・販売に当たっては、お客様の利益を最優先するため、お客様の立場にたって当社の商品、サービスを評価できる販売会社に勧誘・販売を委託します。
②親会社・グループ会社との取引関係をモニタリングすることにより、経営面において過度に依存することなく適切な独立性を維持しています。なお、投資信託に関して当社が販売会社に支払う販社支払手数料のうち、グループ会社への支払額の割合は全体の10%(2019年度)です。(全て確定拠出年金向けの投資信託に係る支払であり、当該投資信託の販売委託先であるグループ会社において勧誘は行っておりません。)

(2)運用報酬等に関する取り組み

 「運用報酬等決定における基本方針」に沿った合理性のある水準で報酬等が設定されるよう、業務フローを整備しています。

(3)情報提供に関する取り組み

 お客様向けの情報提供資料やホームページ、動画コンテンツ等について、「投資家目線でのわかりやすさ」をさらに向上させるという視点から、UCDA※アワードの審査結果等を踏まえて読みやすいフォントや見やすいデザイン・配色、行間を空けるなどの工夫を行い、開示しています。
 また、ファンドに関しては、以下の取り組みを行っています。

<お客様への配布資料>
➣特にファンドの特徴や投資対象の特色、リターンの特性、投資にかかるリスクや負担いただくコスト等の重要な情報について、より理解が得られるようにグラフやイメージ図を活用。
➣シリーズファンドを一覧して比較できる合冊形式の交付目論見書の作成。

<ホームページ>
➣「投資信託の基礎知識」、「投資信託用語集」等のコーナーを設け、資産形成や投資に関する基礎的な情報を提供。
➣前月の振り返りおよび今後の見通しなど、投資環境に対する当社見解を月次で掲載。
➣「動画配信」の強化。

 上記に加え、機関投資家のお客様向けに当社独自のアンケート(受託プロダクトの定性・定量評価、報告資料の分かりやすさ、セミナー・情報提供資料の評価、営業担当者の評価等)を実施し、サービスレベルの向上に努めています。

 ※UCDAは、情報コミュニケーションにおける「わかりやすさの基準」の確立をミッションの一つとする「一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会」の略称です。

(4)サービスの向上に関する取り組み

 当社は 商品開発、運用、販売の各プロセスにおいて、“TMAM Quality”を実現すべく、商品開発面、運用面、販売面での取り組みを進めています。また、お客様のニーズを多面的に探索、理解するためにファイナンシャル・プランナー(FP)資格の取得を推進している他、専門性の向上の為、全社員に対し証券アナリスト資格の取得を推奨しています(2019年度末時点における運用部門の証券アナリスト資格者数72名、運用部門役職員に対する割合59%)。

<商品開発面>

➣不動産に加え商品先物に係る運用のライセンスを取得しています。当該ライセンスを活かし、より高い分散効果が得られる運用商品の開発に取り組んでいます。
➣大手機関投資家と協働し、太陽光発電施設に限らず、幅広い再エネルギー発電施設に投資を行う投資事業有限責任組合(計4ファンド)を運用しています。また、次期ファンドに向けたマーケティングも開始しています。
➣当社が運用する再生エネルギー発電施設の発電量は年間166,392 MWh(2019年実績)です。これは一般世帯の年間使用量に換算すると、37,842世帯分/年となり、CO2の削減等ESGの推進に貢献しています。
➣各営業担当者が把握した情報の共有、当社独自のアンケートや各種調査を通じ、お客様のニーズを的確に把握し、対応するニーズを明確にした上で商品開発を行っています。
➣投資対象の多様化という観点で、保険リスクを証券化した「CATボンド」に投資する個人投資家向けファンドの運用を2017年9月に開始しました。
➣低金利が継続する中で、個人投資家の安定重視資金の選択肢となりうる価格変動リスクを抑えた円資産バランスファンド「円奏会」の運用は7年を超え、投資信託を初めて購入される方も含め、投資家層の拡大に一定程度寄与したものと考えています。

<運用面>

➣投資先企業に対して建設的な「目的を持った対話」を行うことで企業価値向上と持続的成長を促し、お客様にとっての中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目指しています。2019年度においては企業との「目的を持った対話」を894件(対話テーマ件数)実施しました。
➣中長期的な企業価値評価の観点から財務的要素と非財務的要素は一体不可分と捉えており、重要な非財務的要素と位置付けられる環境・社会・ガバナンス・リスクマネジメント(ESGR)については、当社独自のESGR評価シートを用いて分析しています。また、ESGR評価シートを使って、投資先企業の的確な状況把握に努めるとともに、ESGRに関する課題を明確化し、「目的を持った対話」の質的向上に役立てています。
➣リサーチプロセスの改善を目的として、テキストマイニングやビックデータの活用について研究を進めています。
➣特にプライベートエクイティや、海外不動産、インフラ等、株・債券以外の非伝統資産に係るプロダクトについて、パフォーマンス測定やリスク管理に係るフローのシステム化を推進し、より迅速かつ的確な管理、レポーティングができるよう取り組んでいます。
➣お客様のニーズに応えるため、必要に応じ外部委託も積極的に活用しますが、運用スキル維持、向上は元より、委託先のモニタリングを適切に行う、迅速な情報提供を行うといった観点からも、自社運用(グループ会社による運用分を含む)を一定割合以上に維持することが重要であると考えています。2020年3月末におけるファンドの残高の内、自社運用の割合は90%です。

<販売面>

➣個人のお客様向けのセミナー及び販売会社向け勉強会を実施いたしました。新規ファンドを中心とする当社ファンドの商品特性や既存ファンドの説明を行うことにより、理解を深めていただくように努めました。
➣機関投資家のお客様向けに当社独自のアンケート(受託プロダクトの定性・定量評価、報告資料の分かりやすさ、セミナー・情報提供資料の評価、営業担当者の評価等)を実施し、サービスレベルの向上に努めています。

(5)ガバナンスに関する取り組み

 「お客様本位の業務運営に関する方針」に沿った経営が行われるよう、独立社外取締役を含む取締役会が監督を行っています。主な内容は以下の通りです。

①個社毎・議案毎の議決権行使結果及び行使プロセスに関するモニタリング結果について、独立社外取締役を委員長とする責任投資モニタリング委員会より報告を受けています。
②定期的に新設したプロダクト、ファンドの内容(報酬水準、想定するニーズ等)について報告を受け、「お客様本位の業務運営に関する方針」に沿った商品開発が行われているか監督を行っています。
③経営陣の選解任において、独立社外取締役を委員長とする指名委員会において当社の取締役、執行役員および監査役の選解任や選任要件について審議を行うプロセスを導入しています。

(6)取り組みの成果

 上記に代表される取り組みの結果、当社に対する評価、お客様からの支持を表す受託資産残高の状況は以下の通りとなりました。

 ホールセール部門では、総合満足度評価は前年度比で低下したものの、「スチュワードシップ活動」や、オルタナティブ資産に係る「ゲートキーパー業務」に関する評価が向上しました。リテール部門では、「運用成果と分配金の整合性」の他複数の項目で評価が向上し、総合評価は前年度比で向上しました。

 受託資産残高は、リテール部門の低リスクバランス型ファンド「円奏会」を中心に残高を伸ばしました。

当社の運用商品、情報提供等に対する評価※
【ホールセール部門:年金基金など、機関投資家からの評価】
R&I 「年金情報」 2019年/年金顧客満足度アンケート
総合満足度(5段階評価) 3.55(前回 3.69)
なお、上位10社の平均値は3.51(前回 3.55)

【リテール部門:投資信託の販売会社からの評価】
R&I 「ファンド情報」 2019年/第13回投信会社満足度調査
総合評価(5段階評価) 3.68(前回 3.48)
なお、上位10社の平均値は3.68(前回 3.68)

※格付投資情報センター(R&I)「年金情報」第782、818号及び「ファンド情報」第282、314号より東京海上アセットマネジメントが作成


②受託資産残高の推移

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