ESGインテグレーション

東京海上アセットマネジメントでは、責任投資原則の基本方針において、すべてのアセットクラスでESG等の非財務的要素を適切に考慮していくことを明記しております。この方針の下、すべてのアセットクラスにおいてESGインテグレーションを推進しています。

株式

ESG評価

ESGインテグレーションとは、伝統的な投資判断指標である財務情報に、企業収益成長の持続可能性に影響を及ぼすと考えられるESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)要因を併せて考慮する投資戦略です。

ESG評価が高い企業ほど、将来の事業リスクの低下などを通じて資本コストが下がる、即ち理論的なバリュエーションが上昇する傾向が観察されています。

当社では、個別企業の事業環境・企業戦略評価、業績予想分析を実施した上で、ESG要因考慮後企業価値(ESG要因の定量的な企業価値への影響)を参照して投資判断を行っています。

具体的には、ESG要因考慮後企業価値を次のように算出しています。まず、東京海上ディーアール(TdR)がESGに関する公開情報をもとに一定のルールに従って評価したスコアと、Sustainalyticsが提供
するESGリスクの総量を示すエクスポージャーを合成して、TMAM ESG スコアを算出します。
次に、同スコアを利用してバリュエーション基準(ESG要因考慮後株主資本コスト)を導き出し、
独自の企業価値評価モデル(エクイティ・スプレッドモデル)に適用し、算出しています。

エンゲージメント

投資先企業を厳選することを通してパフォーマンスを高めていくアクティブ運用機関として、的確な状況把握に基づく企業の持続的成長に向けた建設的な対話(エンゲージメント)は、投資先企業の中長期的な成長にも貢献すると考えています。

当社では主に業種担当アナリストが、エンゲージメントを行います。アナリストは対話促進部会(※)の方針も踏まえ、主にファンド保有企業や保有推奨企業を対象に企業価値向上を図る上で解決すべき課題を見出した企業を特定し、選定した企業についてエンゲージメントのテーマを設定します。個々の企業の置かれている状況が異なることから、その違いに応じて、個別企業の状況に最も精通しているアナリストが適切に選定し、画一的なテーマ設定による弊害を回避しています。
(※)対話促進部会:対話に関連する部署の責任者等で構成し、投資先企業との対話の進捗管理と監督機能を担っています。

エンゲージメントの「質」は、投資先企業との間で、課題解決に向けたインプリケーション(気づき)を共有できるか否かにより左右されるため、適切なテーマ設定、中長期的な時間軸の共有、経営的視点に立った課題認識等を意識した実効性のあるエンゲージメントを目指しています。


ESGに着目した投資商品の提供

ガバナンスに着目したエンゲージメント運用

ESGの中でも特にガバナンス(G)に着目したエンゲージメントによって収益獲得を目指す運用を行っています。

企業の中長期的な価値創造につながるエンゲージメントを積極的に行い、エンゲージメント効果を超過収益の源泉とした運用手法です。

投資先企業へのエンゲージメントによる有効性を検証し、優良企業への集中投資と日本型エンゲージメント(日本の企業風土を前提としたエンゲージメント)によって、持続的な超過収益が獲得できると考えています。

当社の実践する日本型エンゲージメントは、企業に投資する前から実施している点が特徴です。投資前にその企業経営者が経営に対して健全な問題意識を持っていることを把握した上で、投資後も問題意識を共有して対話の余地があると判断した企業を投資対象として選択しています。経営者との「共創」ができる場合に、投資家としての投資行動を
開始するというステップを踏んでいます。

ESGに着目したアクティブ運用

ESGevaluation

TMAMおよびTdRによる企業のESG取組み度合いの評価とSustainalyticsによるグローバルな知見を反映したリスク評価を組み合わせることにより、多角的なESG評価を行っています。
ESG評価に当社アナリストによる投資判断を加味することで、長期的に安定した付加価値獲得を目指す運用を行っています。

ESG に積極的に取り組む企業への投資を行うことにより、持続可能な社会の実現にも貢献します。

債券

発行体へのエンゲージメント

東京海上アセットマネジメントの債券運用では、主に、国内民間企業の発行する事業債を対象に、ESGの視点を銘柄選択に取り入れています。
投資先企業のガバナンスの欠如、反社会的行為、環境破壊行為などESG面での問題行為が発生すると、信用格付の引き下げなどを通じて、社債等の上乗せ利回り(スプレッド)が上昇し、パフォーマンスの悪化につながるリスクがあるためです。
事業債への投資では、株式とは異なり議決権がないものの、ESG要素について発行体と直接対話し、必要に応じて改善を働きかけることを債券投資におけるエンゲージメント活動と位置づけています。

格付会社を通したエンゲージメント

発行体に直接働きかけるエンゲージメントだけでなく、格付会社を通した間接的なエンゲージメントにも力を入れ、国内格付機関との意見交換に積極的に取り組んでいます。
たとえば、環境面から将来のビジネスリスクの上昇につながる可能性の観点で、石炭火力発電に対する電力会社の経営方針が、格付け判断にどのように影響するかについて、格付機関と建設的な議論をすることが挙げられます。

国連責任投資原則(PRI)が提唱する格付けイニシアティブ(Statement on ESG in Credit Ratings)への署名

2017年12月、国連責任投資原則(PRI)が提唱する格付けイニシアティブ(Statement on ESG in Credit Ratings)の主旨に賛同し、署名しました。
本イニシアティブでは、格付会社がESG(環境・社会・ガバナンス)の要素をシステマティックかつ透明性をもって考慮して格付けすることを求めるとともに、格付けの主たるユーザーである債券投資家は、格付会社との対話などを通して、信用力評価におけるESG考慮を促すことが期待されています。

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