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2026.09.17

「宇宙戦略基金」とは?市場規模8兆円を目指す国家戦略

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2030年代早期、宇宙産業の市場規模を8兆円に

2023年に改定された「宇宙基本計画」で、政府は宇宙産業を日本経済における成長産業とするため、宇宙産業の国内市場規模を2020年時点の4兆円から、2030年代早期に2倍の約8兆円規模へ拡大する目標を掲げました。この目標を支える枠組みとして創設されたのが「宇宙戦略基金」です。
基金はJAXA(宇宙航空研究開発機構)に設置され、4つの府省(内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省)が連携して運営しています。支援規模は総額約1兆円を目指しており、最大の特徴は、単発の補助ではなく最大で10年にわたりスタートアップ企業をはじめとする民間企業や大学、研究機関などを支援する点にあります。

激化する宇宙開発競争に勝つには官民連携が必要

国主導から官民連携へ。日本の宇宙産業は、大きな構造転換への一歩を踏み出しました。その背景には宇宙開発をめぐる国際競争の激化があります。かつて宇宙開発の主役は米国とロシアでした。しかし近年では中国、インドなども急速に存在感を高めており、競争の構図は大きく変わりつつあります。また宇宙開発は、人類の活動領域を拡大させるだけでなく、地球が抱える様々な課題を解決し、経済や社会を変革させる可能性を秘めている点も見逃せません。
宇宙産業の市場が広がるにつれ、各国の宇宙開発は国が単独で進める時代から、官民が連携した開発へと変わっています。こうした潮流の中で、日本が宇宙産業を経済成長の柱の一つに据えたのは、自然な流れと言えるでしょう。

第1・第2期で宇宙産業基盤の底上げが図られる

基金の支援領域は「輸送」「衛星等」「探査等」の3分野にわたり、「市場の拡大」「社会課題解決」「フロンティア開拓」という3つのゴールを見据えて設計されています。第1期となる2023年度、第2期となる2024年度で計6000億円規模の予算が組まれ、宇宙産業基盤の底上げが着実に進められています。衛星や月面開発、軌道上サービスなど幅広い分野が支援対象となっており、国内の衛星開発能力の向上や新規参入企業の育成が図られています。

第3期ではロケット打ち上げ能力の強化が重要分野の一つに

第3期は2,000億円規模の予算が新たに計上され、基金の支援規模は累計8,000億円規模に達しています。宇宙通信、輸送技術、民間ロケットの実証加速など19テーマが設定され、他分野の技術との連携を通じた事業化の加速が目指されています。
中でも注目されるのが、ロケット打ち上げ能力の強化です。世界のロケット打ち上げ回数が増加を続ける中、日本は近年、年数件程度にとどまっており、打ち上げ能力の不足は衛星の海外依存、実証機会の制約、安全保障上のリスクなどの課題に直結します。政府は今後、国内打ち上げ能力を拡大させる目標を掲げており、第3期の支援はその実現に向けた重要な一歩となります。

日本の宇宙産業を国際競争の舞台に

宇宙産業の市場規模を倍増させていくには、政府の支援だけでなく、民間資金の呼び込みと国際市場への展開が不可欠です。世界が宇宙に注目する中、日本でも宇宙を舞台にした研究・開発への取り組みを進めようとの機運が高まり、その後押し役として「宇宙戦略基金」が重要な役割を果たすことが期待されています。最大10年間という長期の支援によって、世界の宇宙市場をけん引するグローバル企業や、最先端の宇宙開発技術やサービスを提供する企業が国内から誕生するかもしれません。

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