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2026.09.17

準天頂衛星システム「みちびき」が切り拓く、近未来社会

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政府主導で構築された「みちびき」

私たちが日常生活で当たり前のように利用しているカーナビやスマホの地図アプリは、人工衛星からの電波をもとに現在地を割り出し、私たちに地図情報を提供してくれます。それを可能にしているのが、準天頂衛星システム「みちびき」。英語ではQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)と表記されます。「みちびき」は2008年に公布された宇宙基本法を契機に整備が本格化し、政府主導で構築されてきました。

安定した衛星測位サービスの実現を目指して

「みちびき」の初号機は2010年に打ち上げられました。当時の衛星測位は、米国が運用するGPS衛星を利用していたため、十分な測位精度が得られない場面がありました。そこで、時間帯や場所を選ばず、いつでもどこでも利用できる安定した衛星測位サービスを実現するため、GPS衛星と互換性を持ち、GPSを補完・補強できる「みちびき」がスタート。政府は2011年に「4機体制を整備し、7機体制を目指す」ことを決定し、2013年に改訂された「宇宙基本計画」でも重要政策と位置づけています。2018年には4機体制の運用が開始され、測位精度が大幅に向上しました。

7機体制の構築でさらなる測位精度の向上へ

2018年に4機体制になったことで、日本のほぼ真上に常に1機の衛星がいる状態になり、都市部や山間部など、遮蔽物が多い場所でも、位置情報を安定して取得できるようになりました。そして、さらなる測位精度向上と日本単独での持続測位を目指して7機体制の構築が進められています。これによって測位精度は更に安定し、みちびき単独での測位も可能になります。

正確な位置情報と時刻情報を提供する衛星測位システム

衛星測位システム(GNSS=Global Navigation Satellite System)とは、宇宙空間を周回する衛星からの電波によって位置情報を割り出すシステムの総称です。複数機の測位衛星、衛星を管理する地上局、そして受信機(カーナビやスマホなど)で構成されます。正確な測位には最低4機の測位衛星が必要とされ、各衛星から電波を受信して、その伝搬時間から衛星と利用者間の距離を算出して位置を特定します。また同時に利用者は、正確な時刻情報を得ることもできます。代表格は米国のGPSで、欧州やロシア、中国も独自のGNSSを運用しています。日本およびアジア・オセアニア地域をカバーする「みちびき」は、「日本版GPS」とも呼ばれています。

GNSSの整備がPNTサービスのさらなる普及の鍵に

各国がGNSSの整備に力を注ぐのは、PNTサービスが社会の重要な土台になりつつあるためです。PNT とは「Positioning(位置特定)」「Navigation(航法)」「Timing(時刻同期)」の頭文字を取ったもので、私たちの暮らしを支えるインフラに欠かせない情報の総称です。
PNTサービスは、私たちが意識していないところで既に幅広く活用されており、社会の重要インフラの多くがPNTに依存しています。

「みちびき」の先にあるのは「G空間社会」

日本独自の衛星測位システムとしてPNTサービスを支えているのが「みちびき」です。誤差わずか数センチメートルの測位を可能にする「CLAS(センチメータ級測位補強サービス)」をはじめとした独自のサービスも進めており、自動運転、スマート農業、物流、スポーツ、防災など幅広い分野での活用が広がりつつあります。
「みちびき」の利活用が進化した先に描かれているのが、位置情報と時間情報(G空間情報)を基盤にした社会「G空間社会」です。これが実現すれば、社会のさまざまな動きをリアルタイムで捉え、より安全で効率的な暮らしや産業活動を支える基盤が整うことになります。

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